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元氣メグル日々 エリカのブログ

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父の三周忌

父が亡くなって3年がたった。
2年目の昨年に三回忌の法要をしたので、今年は家族や父の陶芸教室の生徒さんや知人が集まって、父を偲んで食事会をした。
父を慕っていた陶芸教室の生徒さんが61歳で亡くなったと、聞かされ驚いた。近所の歯科医で父の葬式でも随分助けてくれたのに。胃がんが見つかり1年生きられなかったみたい。
父も60歳だった。
戦後のベビーブーム世代は、早死にしているように思うなぁ。
仕事で明治生まれの人にも接しているが、あの世代の地に足着いた生き様と人のオーラが違う。
明治の人と言っても、98歳以上なのでもうすっかりお会いする機会が減っているが。

「サイモント療法」に興味があって関係本を読んでみた。
アメリカの腫瘍医のカール・サイモントの、がんを治療するために心と体と魂を活性化させ人生を丸ごと癒していく、がんの治療法。アメリカには彼の作ったサイモントがんセンターがある。

どの人も、現代医療のがん治療には疑問を感じていると思う。日本の医療は、症状や身体機能だけをみて、薬物や外科治療、対症療法をしていく。臓器別に細分化され、心の問題があれば精神科、一人の人がばらばらにされてしまう。
そして、患者も家族も、専門家である医療者にまかせっきりになり、自分で自分の体、心、魂の声に耳を澄まし、自分で治していこうとする努力が少ない。
すべての病気は、何か自分の体のバランスが狂った結果であり、バランスを立て直すのは自分だということには、気がついていない。

サイモント療法で、面白いなあと思ったのは霊的側面の治療を重視して、瞑想とイメージ療法を大切にしている点だ。
サイモントは、ストレスが免疫機能を低下させ、本来脆弱ながん細胞が拡大したと考えるので、不安や心理的ストレスを緩和させる心理面や、生きがいなどの社会面で活性化を図って、免疫機能を回復させ治癒させていこうとする。
近年、心身一体型の治療から、より霊的側面が強くなったと書いてあった。

心というのは、結構自分で無理にコントロールしてしまうものだ。自分の望むイメージ、エゴ、社会の要求のイメージ、感情。自分の考えに嵌って、不健全な信念を持ち勝ち。
瞑想は、そういった自分の不健全なイメージから離れ、魂の声を聞くことを促し、健全な自己イメージへと導く。
瞑想によって、世界、宇宙、創造主との結びつきを強め、自分のあるべき本来の姿を見つけることを促している。
アメリカ人らしく、本には瞑想の仕方もスケジュールも細かく書かれていて、紋切り型で私などにはちょっと馴染まないのだが。。

この本でいいなあと思ったのは、がんになったのはこれまでの生活の罰ではなくて、心身魂のバランスが崩れていることを知らせる創造主のメッセージなのだということを繰り返していること、人生を変えるチャンスなのだということ。
そして回復には協力者が必要で人は一人では生きていけないこと、家族ともども治療のメンバーとしてスケジュールに組み込まれている。
仏教的な思想や東洋医学の思想を知っていれば、馴染みの思想なのだが、これをアメリカの近代的な医療の中でやっていることにすばらしさを感じた。

別にがんという疾患だけにいえることではない。
心身魂のバランスを保ち質の高い人生を全うするための、生き方だと思った。
ありのままの自分を受けとめ、自分を愛し、ありのままの自分の生きがいを感じ、共に生きる人々に奉仕し、生きる意志をもったものが、健康で豊かな質の高い人生を遅れるのだと思う。

私の親の世代は、物質的な豊かさを求めて、経済発展をひた走しり、仕事をしてきたように見える。
本来の生きがい、世界全体と自分が調和してワクワク、楽しい、生きがいを求めるのではなく、社会的な評価、経済的成功、競争を求めてきたように見える。

父は、45歳で現役の仕事は引退して、自分のしたいことだけすると自由人の道を歩んだし、私とはずっと離れて暮らしてきたので、どこで人生のバランスを崩していたのか分からないなあ。
彼は病気に成ってからも、なくなる数ヶ月前まで海外旅行をし陶芸をし、病院での治療は最小限にして自宅にいた。彼に、治ろう、生きていこうという意志は弱くて、無神論者だったので悪あがきをせず潔く死ぬと言って自宅で寝ていた。
神も宗教も精神世界も拒絶したようなところがあったので、サイモント療法などその時知っていても受け入れてくれなかったと思うけど。

この本を読みながら、たとえがんで亡くなり病気が治癒しなくても、どんな絶望的な状況からでも生きる意志を持って未来を見つめることは、質の高い生き方なのではないだろうか、と思った。

| 日々のこと | 02:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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